新連載
NEW SUPER FALCON BROS Wii

ファルコンが仕事をし過ぎて暇人生活を送ることになってはや数年…キノコ国王からファルコンにピーチ姫の救出の依頼がきた!!
独り身のファルコンは4人プレイしたいという理由で3人の勇者を募集した。
F-ZEROよりスマブラでの活躍が多いファルコン・おなじみアイドルのパンツマン(ボスパックン)・
マリオシリーズの常連のワルイージ・けいおん!!のモブのよしみたちが繰り広げる脇役系アクションゲーム!




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第1章

 ここはポートタウン。

 近年、ある男の活躍によって犯罪数が0になった宇宙有数の平和都市である。
しかしその功績が、かえってアクティブなその男に退屈な思いをさせていた。

ファルコン「退屈だ」

 俺はキャプテンファルコン。レーサー兼賞金稼ぎだ。惑星ポートタウンにて単身事務所を構えている。
ただ、賞金稼ぎでがんばりすぎたため、すっかり悪党がいなくなってしまったことで退屈な日々を送っている。
 最近はF-ZEROのゲーム収録もないし、レーサー・賞金稼ぎともに、俺はすっかりすることがない毎日を送っている。
まあ、仕事しなくても一生遊んで暮らせるだけのお金は稼いだのだが、漢にはそんなもの必要ない。
暇も必要ない。

ぷるるるるるる…

ファルコン「なんだ?」

 電話が鳴っているようだ。
俺はそれをとった。
 がちゃ…
 

ファルコン「はい、こちらC・ファルコン事務所」

国王「わしじゃ、ファルコンどの」

ファルコン「キノコ王国の国王! 何か御用ですか」

 たしか、『F-ZERO X』のレインボーロードサーキットを走る際や、
スマブラでマリオとの共演が実現した際、お世話になったことがある。

国王「ああ、10数年ぶりにピーチ姫がさらわれたのじゃ。救ってくれ」

ファルコン「…ピーチ姫を救う?」

俺の身体能力を知っているとしても、キノコ王国には…

ファルコン「なぜ俺を? キノコ王国にはあのマリオがいるはずですが」

国王「彼らは最近いろんなところで引っ張りだこで、仕事が詰まっているようでの、
キノコ国から遠いところにいるということもあって、ピーチ姫を救うことができない状態なんじゃ。
お前なら暇じゃろ? 
『F-ZERO GX』以来まともな据え置きゲームに出てないんじゃから」

ファルコン「…わかりました。
せっかくのwiiですから、俺以外に3人の勇者を用意していただきたいのですが」

国王「む、4人プレイを所望か」

ファルコン「いつも孤独ですから」

国王「国内にはほとんど残っておらんが、頑張って呼び寄せてみることにしよう」

ファルコン「お願いします」

 俺は、ピーチ姫を救う約束をして、電話を切った。
退屈な日々がこれで終わる気がして、俺はうれしくなった。


1週間…………後


キノコ国城内の王室に通された俺は、国王と二人の男と対面する。

国王「おお。よくぞ来た」

ファルコン「俺はファルコンだぞ」

国王「すまんすまん。ほれ、勇者を用意したぞ」

ファルコン「ええ…」

国王に言われて、二人の男は席を立ち俺の前に来た。
二人ともでかいやつだ。



ワルイージ「おお、ファルコンではないか」

パンツマン「スマブラ以来じゃないか」

ワルイージ「またこうして会えるとは思ってもいなかった。
このたびは国王の命令の下、頑張ろうではないか」

この二人とは、スマブラXにて共演を果たした。
ワルイージはアシストフィギュア、パンツマンは一人用のボスキャラで
ともに戦い、または争ったりしたものだ。

ファルコン「後1人は? まさか国王が4Pなのですか?」

国王「すまんのう、マリオカート7の後日休暇やマリオパーティ9の収録で、
残っているのはこいつらだけなんじゃ」

ファルコン「そうか、あいつら忙しそうだしな。テレビでもよく見る」

俺は羨ましそうな口調でそう喋った。

パンツマン「ワルイージ。お前もCMに出ていたはずだろう。どうしたんだ?
収録中のハプニングか何かでリストラか?」

ワルイージ「私は国王の身を案じて、先日ここに戻ってきたのだ」

国王「忙しいのにすまんのう」

ワルイージ「いえ。国王あってのこの国ですから」

ファルコン「お前だけマリオカート7の仕事がなかったんだよな」

ワルイージ「知っていたのか」

ファルコン「マリオカート7の完成発表会に出席したからな」

ワルイージ「……無念だ」

とにかく、メンツは3人ということになった。RPGでは3人パーティもよくあるし、いいか。

ファルコン「って、よくない!」

パンツマン「なんで?」

パンツマン「俺は、せっかく冒険するならみんなで楽しくしたいと思ったわけだ。
こういうの初めてだしな。で、呼ばれたのがこのおっさんどもかよ」

パンツマン「俺だって、できるなら青年のままずっといたかったわい」

ワルイージ「そうだな」

ファルコン「…俺だってそうだがな」

俺自身、若者を期待していたが、3人とはいえこの場には人数がいる。
これで我慢することにした。

ファルコン「仕方ない、この3人で行くとするか」

パンツマン「その前に俺、『けいおん!!』の映画が見たいのだが」

ファルコン「『けいおん!!』だと!」

俺たちの世界の人気アニメだ。
俺の惑星にもそのアニメの話題は届いている。ちょうど全話見て暇だったところだ。

ファルコン「そうだな。俺たちの絆のためにも、冒険の前に見に行くか」

ワルイージ「おい、仕事が先ではないのか」

真面目なワルイージにとがめられるも、俺はそんなの気にしない。
携帯でパンツマンにチケットを取ってもらうことにする。

国王「よいのだワルイージ。
そこでちょっと待っておれファルコンどの」

ファルコン「はい?」

国王「1人用意できなかったお詫びじゃ。シアタールームを利用していけ」

ファルコン「ありがたく使わせてもらいます」

国王「おい、『けいおん!!』の映画を用意しろ」

キノピオ「はいただいま」

こうして俺たちは、映画を見た後に出発することにしたのだった。

……



パンツマン「うお! 見てみたかったんだ。映画『けいおん!!』」

ワルイージ「最近は、こういうのが流行っているのだな」

ファルコン「ああ、俺たちのころとはもはや違う時代だ」

むさい3人で映画を見ているなか、俺は別のことも考えていた。
そして、俺の目に一人の少女が目に留まるのだった。



ファルコン「!…」

ファルコン(たしか俺の事務所の保管庫にあの高校の名簿が送られてきたはずだ…)

映画が終わり……

パンツマン「楽しかったな。俺の植物仲間の間でも評判のいいだけある」

ワルイージ「最近ああいうのが流行っているということは、
我らもいずれああなるのだろうか」

パンツマン「マリオシリーズはずっと、今の姿勢を貫くだろう。
それが俺たちの持ち味だ」

ワルイージ「そうだな」

ファルコン「おいそこのキノピオ」

キノピオ「はい、なんでしょうか?」

ファルコン「パソコンルームへ行かせろ。調べたいことがある」

キノピオ「はい、こちらへ」

パンツマン「どうした? 今から出るはずだろう」

ファルコン「……」

俺はパンツマンの言に返事をしないまま、パソコンルームへと向かった。
パソコンルームへ着くと、俺は早速俺特製のUSBを差した。

パンツマン「ほう、お前も『けいおん!!』のマニアだったのか」

ファルコン「……」

俺の持っているデータ、地球から取り寄せた桜が丘高校の名簿…。
映画を観終わったFはその場でパソコンを立ちあげ…



パンツマン「桜が丘高校 3年2組20番 砂原よしみ」

ファルコン「……」

パンツマン「すげぇ。さすが惑星をまたにかけるやつは違うぜ」

ファルコン「数々の戦いをくぐりぬけてきた漢の感が、
一回しか映っていないこの少女に反応したのだ」

ファルコン「ワルイージはどう思う?」

キノピオ「さっき出て行かれましたが」

ファルコン「じゃあお前、ブルーファルコンを貸すから、この少女を明日ここに連れてこい」

キノピオ「は、はい」

ファルコン「明日は、地球では土曜日のはずだ。大丈夫だろう」

パンツマン「俺たちの言うことは、国王命令だと思え」

キノピオ「わ、わかりました。明日までには必ず連れてきますので」

ファルコン「さて、彼女の携帯にメールを送っておくとするか」

パンツマン「俺はワルイージを連れ戻してくるぜ」

ファルコン「ああ」

少女にメールを送った後、俺たちはキノコ城で一晩を過ごした。



そして……

キノピオ「つ、連れてまいりましたが」



よしみ「……」

ファルコン「……」

ワルイージ「ほう、彼女が、伝説のC・ファルコンが選んだ4Pというわけか」

パンツマン「けいおん!!』ではほとんど自己を出さなかったモブキャラだけあって、
どういう子か楽しみだ」

ワルイージ「見た目どおりただの女子か、それとも…」

よしみ「……」

キノピオ「皆さんのこと、怖がっているようですけど」

パンツマン「俺たちがでかいのは仕方ないだろ」

よしみ「あの、ここは一体…」

ワルイージ「キノコ王国のお城だ。
お前の力が必要とこのファルコンがおっしゃったから、呼んだのだ」

よしみ「あの、私、ただの女子高生なんですけど」

いきなり連れてこられて大男に囲まれていれば、彼女のあの態度は当然だ。
しかしそこをなんとかしないと冒険に出られない。

俺の口がついに動く。

ファルコン「砂原さん」

よしみ「はい?」


















ファルコン「私はFです」

よしみ「……」

F「このたびは、NEWスーパーファルコンブラザーズwiiの勇者の一人として、貴女が選ばれた。
明日から早速俺たちの、ピーチ姫を救う旅に加わるのだ」

よしみ「あの、私高校があるんですけど。それに将来の夢が…」

パンツマン「む、もう将来の夢があるとな。立派な娘だ。さすがだ」

ファルコン「大丈夫だ。俺が休学届を出してやる。俺たちの推薦があれば、東大だって入れるぞ」

パンツマン「それに、高校時代に国を一つ救いましたなんてアピールできるぞ」

よしみ「…あなたたちは一体?」

F「キャプテン・ファルコンだ。普段はレーサーと賞金稼ぎをしている」

パンツマン「俺はパンツマンだ。あるゲーム会社専属の俳優だ」

よしみ「それ、名前なんですか?」

パンツマン「本名は秘密だ。そのほうがカッコいいからな」

F「そうだな」

ワルイージ「……」

F「というわけで、冒険へ出発だ!」

よしみ「ふふっ」

パンツマン「わはは」

よしみ「いいですよ。『けいおん!!』の収録もしばらくはありませんし。
あなた方が仰られるところ、学校の心配もないようですから」

ワルイージ「…結局、ただの女子にしか見えんのだがな」

パンツマン「いいだろ。むさい3人男児で冒険するよりはよ。
作者もそんな冒険、書きたくないはずだ」

F「女性の冒険者がいてもいいよな。よしみにはその先駆者となってもらおう」

よしみ「先駆者…」

ワルイージ「ふん」

F「……」

この真面目漢は、直前までよしみの加入をよく思わないようだ。

よしみ「……」

パンツマン「気にするな。あいつは色モノを嫌うタイプだしな」

F「あいつ自身も、初登場作品では色モノだったしな」

キノピオ「みなさん、お食事ができましたので、召し上がってから出発なさってください」

パンツマン「おお、そうか」

F「とりあえずメシにしよう。それからだ」

よしみ「はい」

こうして、冒険者が4人そろったのだった。

人数をそろえたファルコン一行は、食事後にピーチ姫を救う冒険に出るのである。



続きは来月をお楽しみに。

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作者 東横とこ