ヘル

闇属性

 

能力値は低いが、能力「死の覚醒」に良さが集まるクリーチャー。

「死の覚醒」前でもワイトを召喚したり相手を毒にしたり、できることは多い。

タイミングを見て、こちらから「死の覚醒」を能動的に発動させることも大切。

能力値

HP

105

SP

18

 

攻撃

75

召喚時間

 

防御

70

召喚コスト

 

魔力

90

召喚キャパ

 

4値合計

340

ZOC

 

 

技数

 

移動

 

※値はすべてレベル50の時のものです。


能力

死の覚醒

A+

HPが0以下で[死亡]になった時に1度だけHP50%で[召喚済]になり攻撃力、防御力、魔力100%、移動3アップ。

屍兵強化1

D+

[種族:不死]の味方ファミリアの攻撃力、防御力、魔力25%アップ。

 

 

 

 

 

 

 

 




習得技

技説明

技考察

打撃

無属性  物理  攻45 命100 ク10 射1 範1 コ1 

 

闇の波動

闇属性  魔法  攻60 命100 ク5 射2 範1 コ2 

 「死の覚醒」後だとこの技でも強力。

漆黒の波動

闇属性  魔法  攻70 命100 ク5 射2 範1 コ3 

 

毒霧

無属性  変化  攻0 命100 ク0 射1 範1 コ5 

対象を[]する。

 

黒霧

無属性  変化  攻0 命100 ク0 射4 範1 コ5 

対象を[暗闇]にする。

 

屍魔兵召喚

闇属性  召喚  攻0 命100 ク0 射1 範1 コ6 

自分と同レベルのファミリア[ワイト]を召喚する。

 コストがデカいので「死の覚醒」との相性は良くない。

 

 

クリーチャーの解説

 死ぬと強くなる最大レベルのドM
 能力「死の覚醒」による能力の上昇幅(能力値2倍)が最大の特徴。そのため死ぬタイミングがかなり重要となっており、味方に殺されることが有意義となることもある珍しい存在である。

不釣り合いな能力値と召喚リソース、バランスをとるのは「死の覚醒」!

あまり強くないのに召喚キャパ2召喚時間5など、圧倒的に釣り合わないものを持っている。これらはすべて「死の覚醒」への布石である。味方クリーチャーが減ってから召喚するのは、この子が補助を欲していることや相手が多くなればこの子が集中攻撃されて「死の覚醒」が無駄になりやすいことから得策ではない。早い段階から出していきたい。

「死の覚醒」が発動するまでは貧弱なクリーチャーなので、それ生かしたいなら何もせず相手を誘う陽動的役割を負うのもよい。


「死の覚醒」を考えなくても活路はある。状態異常にアンデッ娘!

「死の覚醒」を度外視するならば「毒霧」「黒霧」を相手に撒くことに徹する役割を負うこともできる。相手に攻撃されて死んでも生き返ることを利用して一人でも多くの毒(暗闇)撒きを安心して行えるからだ。もちろん途中でアタッカーに変わってもいい。

もう一つは、「屍魔兵召喚」ができる点に注目したい。「屍兵強化1」を持つので強化済みのアンデッ娘を出せるのだ。この子がいるだけでアンデッ娘が強化されるので、アンデッ娘強化目的でこの子を採用することももちろんありだ。この能力は重複するのもいいところ。

しかしアンデッ娘を活かすとなると、この子を召喚手とするとSPが足りず「死の覚醒」を活かしづらかったり、そもそも数が重要なアンデッ娘パーティに置いて召喚キャパ2は足かせにもなりうると難しい点は存在する。


「死の覚醒」を活かすならHP・SPの管理ができるように編成しよう。

「死の覚醒」を生かすなら、死にかけたこの子を倒して「死の覚醒」を発動させる要員と「死の覚醒」あとにHPを回復させる要員が必要だ。「死の覚醒」ではHPが半分しか回復しないので、回復させてあげないとすぐに死ぬ。同じ理由で、相手のフェイズ中にこの子が死んでもまずい。

「死の覚醒」が生かせるか生かせないかで存在感が大きく変わるので、相手に倒されるよりは自分側で能動的に「死の覚醒」を発動させてあげたい。「死の覚醒」が発動したら専ら攻撃に専念するだけでもかなりの戦果を上げてくれるので、そのサポートはHPとSPの両方が回復できるクリーチャーが適任である。

生贄召喚の犠牲にするとすぐに「死の覚醒」が発動することは頭に入れておきたい。

 

元ネタ

北欧神話

ヘルとは、北欧神話に登場する幼女である。その名前には「隠すもの」という意味がある。

父は悪神ロキである。ロキが女巨人アングルボザの生焼けの心臓を食べたとき、自らの身に3兄弟を宿し、その結果生まれたのである。兄に大狼フェンリルと大蛇ミドガルズオルムがいる。

ヘルは兄弟とは異なり人間の姿をして生まれたが、その半身が青黒く腐っている外見であるとされる。その半身が左右半身なのか上下半身なのかは定まっていない。外見が美しいか醜いか、幼女かどうかも実は定まっていない。

ヘルを含む3兄弟はある日神々にとって不吉な存在であるという予言が下り、ヘルはすぐに極寒の地ニヴルヘイムに飛ばされるのである。そしてオーディンから仕事を押し付けられ、こうしてヘルは病気や老衰で死んだ人々の管理をすることになったのである。

ニヴルヘイムは冷たくてじめじめとした、霧がかかった暗い場所であるとされている。入口は鋭く切り立った岩石に囲まれており、獰猛な番犬ガルムと番人モーズグズという幼女がいるため簡単には入れないのである。ヘルが住んでいる場所は、驚くほど高い城壁に囲まれた館エーリューズニルに住んでいる。その東には、オーディンがかつて訪れた巫女の墓があるという。

昔の北欧では、死者を船に載せて弔う習慣があった。北欧神話では北の海にニヴルヘイムという氷と死者の国があると信じられていたからだ。その冥界ともいうべき世界の統治者がヘルなのである。

ヘルが管理する死者の国での暮らしはあまりいいものではなかったらしい。実際にはヘルのところへ行くのが嫌だからと自分から戦場へ足を運んだり自ら体を傷つけて死ぬ戦士もいたという。だが一般のイメージである地獄とは違い責め苦がないうえ、オーディンの息子バルドルのように最高待遇される例もあったので、本当に悪い場所なのかというとそうでもなかったりする。

ラグナロクにおいては、参戦こそしていないが、死者の爪で作った船ナグルファルと軍隊を父であるロキに貸し出すことで間接的に戦いに加わっている。

ラグナロクの後でヘルがどうなったかについては、どの文献にも載っていない。もしかしたら今も地底のどこかで黙々と死者を受け入れ続けているのかもしれない。

英語で地獄を意味するhellは、この子の名前が元ネタである。

 

出典

・幻想世界を研究する会『よくわかる 「魔界・地獄の住人」事典』(株式会社ウェッジホールディングズ、2008年)156~157ページ

・池上良太『図解北欧神話』(株式会社新紀元社、2007年初版)128~129ページ

・杉原梨江子『いちばんわかりやすい北欧神話』(実業之日本社、2013年)104~105ページ

・おおつ やすたか・ほか『悪魔大百科』(株式会社メディア・テック、2006年)156~159ページ

・森瀬繚『「北欧神話」がわかる事典』(SBクリエイティブ株式会社、2014年)148~151ページ