オーディン

氷属性

能力値

HP

110(77位)

召喚時間

SP

18(61位)

召喚コスト

攻撃

110(33位)

召喚キャパ

防御

110(22位)

ZOC

魔力

110(34位)

移動

4値合計

440(32位)

 

※値はすべてレベル50の時のものです。

特殊能力

守護

味方マスターの隣にいればマスターの代わりに技を受ける

(効果1以下攻撃値のある技限定)

自動追尾

常に状態移動不能2 自マスター移動時マスターの隣に移動。

 

 

 

 

 

習得技

技考察

ステータス解除

マスターの下がったステータスを戻せる。召喚代償のクリーチャーと相性がいい。

解毒草・解痺草

マスターにかかった毒麻痺を治せる。

        












管理人の感想

 常にマスターのそばについてくれる「守護」クリーチャーだ。マスターへの攻撃を代わりに受けてくれるほか、マスターの下がったステータスや、きつい状態異常である毒と麻痺を治してくれるので、このゲームのマスターの重要度に即したキャラであると言える。マスター自身を生かしたいという人や用心深い人はこういうキャラ好きなんじゃないだろうか。

 だが、この子自身は攻撃手段がないうえ動いてくれないので、他のクリーチャーの手助けにはあまり向いていない。クリーチャーの量を重んじる人には、この子はお荷物に見えるだろう。範囲攻撃からも守ってくれないので、そんな技を使うクリーチャーがいたらさっさとやってしまうのがいい。

 この子は「ステータス解除」とマスターのそばにいるという点から、「召喚代償」の特殊能力のクリーチャーと相性がいい。

 この子、無属性だったらいいのに氷属性なのがもったいない欠点である。だから炎属性の攻撃を受けるとほとんど1発でやられる。「インフェルノ」なんか受けたらこの子の役割はなかったと言っても差支えない。

 全体的にみると使い勝手が非常によろしくないので、前線から離れたところでマスターと一緒に場づくりに精を出そう。

元ネタ

北欧神話

オーディンとは北欧神話における最高神である。神々の中で最も年上だともされる。その名前には「激怒する」「狂気」の意味がある。
 有名な文献エッダに、「他の神々がどれだけ強かろうと、彼はすべてを支配し、彼らは皆、子供たちが父に仕えるように、彼に仕える」という一文がある通り、いにしえより主神にふさわしい風格を持つ影響力の極めて強い存在であった。魔術・知識・死の神であり、「万物の父」「神々の父」「戦死者たちの父」「悪の扇動者」「魔法と歌の鍛冶屋」といった100を超える数々の異名を持つことでも有名である。
 神々の祖先であるブーリの孫であり、父はボル、母は巨人の女ブリトラである。兄弟には2人の弟ウィリーとヴェーがいる。妻はフリッグだが数人の愛人がいる。有名な愛人は雷神トールを生んだ大地の女神ヨルズだろう。
 オーディンは神々の世界アースガルズの中にあるヴァラスキャルブの館に住んでおり、その中にあるお気に入りの椅子フリーズスキャルブから常に世界中を見て情報や知識を集めている。また、フギン(知識)とムニン(思考)という2羽のカラスを放ち、より多くの世界の情報を集めさせている。
 オーディンの外見は、片目でありそれを隠すようにつばの長い帽子をかぶっているのが特徴である。そして長老のような風情で気品を備えており、マントを羽織っている。手には投げれば外すことのない魔法の槍グングニルを持ち、その穂先で指された軍勢は勝利を得ることができるとされる。他にも9夜ごとに同じ形の金を8つ生む黄金の指輪ドラウプニルや、八本足の馬スレイプニルを持つ。
 葡萄酒以外を口にすることがなく、差し出されるごちそうは全て足元にいる2匹の狼ゲールとフレキに与えている。
 その性格は争い好き・策略家・裏切りも嘘も平気・負けず嫌い・気まぐれと複雑な性格をしており、それを大きく3つに分けると上記にある魔術・知識・死の神と分けることができる。こういった複雑な性格は神族・人間族・巨人族に多大な影響を与えた。特に人間界ミズガルズへの影響は大きかった。
 人々はオーディンに戦争の神や勝利の神という側面も見た(オーディンが争い好きであるという性格も関係ある)ため彼に願えば勝利が約束されるといわれた。
 しかしオーディンは気まぐれであり、お気に入りの王の願いであってもその願いをかなえるかは別であった。
 オーディンは知識に関してはどこまでも貪欲であった。知識のために人の道を踏み外すことをためらわない一面があった。「飲めば英知を得られる」という、ユグドラシルの根元にあるミーミルの泉の水を飲むために番人ミーミルに片目を差し出したことで、その泉の水を飲み莫大な知識を得たこともあった。故に片目であるのだが、どっちの目がないのかは不明である。この時ミーミルはオーディンのその豪胆さに惹かれ補佐となったのだが、ある仕事中に首を切られて死んでしまう。その死(知識)を惜しんだオーディンはミーミルを魔術で首だけ再生させた。すると生前語ることのなかったことまで語るようになり、オーディンはこれによってミーミル自身の秘伝も入手し、知識神としての実力を高めていった。
 また、巨人スットングが持つ魔法の蜜酒(飲むと詩芸の才を得られるとされる)を手に入れるため、倉庫番をしていた彼の娘を得意の弁舌でたぶらかして(襲って)奪ったりした。さらに、知識のために自分自身を生贄にし、ユグドラシルで9日間首をつり、さらにグングニルで自分を傷つけることでルーン文字の神髄を自分のものにしたこともあった。そして戦死者を早く集めたい思いから、自ら戦場へ足を運び人間界にもめ事をもたらすこともあった。
 このようにオーディンは知識を得るためには手段を選ばない且つ抜け目なく狡猾で貪欲な神なのである。
オーディンはその知識欲によって得た知識によって世界の破滅の運命を知り、それを変えようと更なる知識を求めるようになるが、知識はオーディンに苦しみと不安しか与えなかった。有能な息子バルドルの死をきっかけに不安は加速していき、ロキの子供の追放も女性を汚すこともするようになるが、結局最高神オーディンでも、自らの死や世界の終わりを止めることはできなかった。
 オーディンはロキの息子フェンリルと戦い、最後にはグングニルごと飲み込まれて死ぬのであった。オーディン自身はそれを避けようと神話内で努力するも、その行動が時には自らの死期を早める結果となっていくのであった。
 オーディンは元々そんな影響力のある神ではなかったが、時代を経るごとに存在感が大きくなっていった。その理由には、北欧の人々が農耕中心の大家族的な国家から、ヴァイキングたちの力が中心となり徐々に強力な王の下、本格的な国家として統一形成されていったという国のあり方そのものの変遷によるものが大きいとされている。
 北欧神話の神々を信仰するヴァイキングとは、暴力で物事を解決する蛮族ではなく、策略や知恵を巡らせる戦いを好んでいたため、オーディンの性質と彼らの気風が合い、オーディンは力のある人々=支配層の人気を獲得し、北欧神話での地位が高まっていったのである。ヴァイキングに信仰されていたという事実から、キリスト教の信仰とともにオーディンが悪魔とされることもあったという。

出典
・松村一男『知っておきたい 世界と日本の神々』(西東社、2010年)96~99ページ
・幻想世界を研究する会『よくわかる 「天国・神界の住人」事典』(株式会社ウェッジホールディングズ、2008年)74~44ページ
・池上良太『図解北欧神話』(株式会社新紀元社、2007年初版)42~47ページ
・杉原梨江子『いちばんわかりやすい北欧神話』(実業之日本社、2013年)64~67ページ
・森瀬繚『「北欧神話」がわかる事典』(SBクリエイティブ株式会社、2014年)56~61ページ