トール |
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雷属性 |
神 |
とてもクリティカルヒットを出しやすい雷の最高級クリーチャー。 HPの高さと技の消費SPの少なさ、そして「テンションブースト」をうまく使えば 場に長くとどまることもたやすいと言えよう。 |
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能力値 |
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HP |
185 |
SP |
31 |
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攻撃 |
160 |
召喚時間 |
15 |
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防御 |
120 |
召喚コスト |
12 |
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魔力 |
85 |
召喚キャパ |
3 |
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4値合計 |
550 |
ZOC |
0 |
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技数 |
5 |
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移動 |
6 |
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※値はすべてレベル50の時のものです。
能力 |
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天下無双 |
C+ |
常に自分のクリティカル率50%アップ。 |
テンションブースト |
C+ |
ターンに1度、技でダメージを与えた時にクリティカルなら、自分の移動回数、技回数1アップ。 |
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習得技 |
技説明 |
技考察 |
連撃 |
無属性 物理 攻35 命100 ク10 射1 範1 コ3 2回攻撃。 |
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電光石火 |
雷属性 物理 攻50 命100 ク0 射5 範1 コ4 非貫通攻撃。対象の隣のマスへ移動。移動先にキャラが居れば失敗する。 |
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サンダーチャージ |
雷属性 物理 攻70 命100 ク10 射1 範1 コ2 |
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稲妻 |
雷属性 魔法 攻75 命85 ク20 射5 範1 コ3 10%の確率で対象を[麻痺]にする。 |
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ケラウノス |
雷属性 魔法 攻90 命100 ク5 射1 範9 コ15 直線攻撃。 |
2回使ってギリギリSPが残る。範囲9は意外と狭い。 |
アクセラ |
無属性 変化 攻0 命100 ク0 射0 範1 コ5 自分のどう回数、技回数1アップ。 |
突撃できる。 |
瞬間移動 |
雷属性 変化 攻0 命100 ク0 射5 範1 コ5 自分と選択したマスの位置を入れ替える。 |
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クリーチャーの解説 |
怪力地味子
HPの高さ・SPの高さと消費SPの低さの両方を持つので場持ちがとてもよい。その場持ちの良さを生かして、試行回数を稼ぐことで相手にクリティカルヒットを当てるのがこの子の攻撃的な運用方法となる。移動6と技の射程によって攻撃に困ることはあまりないだろう。 この子は「天下無双」と技の性質によって他のクリーチャーよりかなりクリティカルヒットしやすいアタッカーなのである。更にクリティカルヒットしたら「テンションブースト」によって行動回数が増えるという強力な能力を持つので、この能力を積極的に発動させていきたい。SPも多く技の射程も長いので試行回数を稼ぐのは容易である。魔力の低さにだけは気をつけたい。 SPが多いので「電光石火」の連続使用にも耐えうるし、「ケラウノス」も3回使える。
攻撃技のほかに「アクセラ」「瞬間移動」という貴重な技を覚える。これらの技をうまく生かせば守りの面でもこの子を運用できる。防御性能も決して低いものではなく、技数も余りがちなので、とりあえず程度でいいので入れておきたい。 戦場に一人残されても、HPとSPの高さによる場持ちの良さでかなり健闘してくれるので、マスターがピンチになったら「アクセラ」や「瞬間移動」を駆使して逃がして自分が代わりに残るという使い方である。この使い方でマスターやほかのクリーチャーは体勢を立て直す事も容易になる。「アクセラ」を使うことで準備中のマスターに突撃することも一応(この子の召喚時間が長いが)可能。 この子の召喚時間の長さを考えると、マスターが引かなければならないときはたいてい負け筋であろうことが予想されるが、この子が時間と手数を稼ぐことでマスターがSPを確保することができ、そのSPを使って逆転できる可能性も秘める。 召喚完了したとき、勝ちそうなときは攻撃力とクリティカル率の高さを生かしてがんがん攻め、負けそうなときはマスターを逃がして一人奮闘して時間を稼ぐ使い方ができる。 臨機応変の利くクリーチャーとして使用価値が高いが、範囲攻撃や気の利いた補助技などぶっ飛んだものは持たず、地属性が相手ではあっさりと落ちる。クリティカルヒットしないと地味なクリーチャーである。 |
元ネタ |
北欧神話 |
トールとは、北欧神話における雷神であり、オーディンの息子である。母は大地の女神ヨルズであるが、彼女はオーディンの正妻ではない。 トールは雷神であり、天を統治するとされる。雷鳴の轟きは、トールが走らせる戦車の音であるとされ、大木に落ちる落雷はトールが戦いの最中にミョルニルを投げた跡、北欧の人々はそう信じ人々の手の届かない領域である空を支配する神として、最強の神としてトールを崇拝していた。 気性が大変荒々しくなんでも力任せにする性格であるが、相手がおびえたり涙を見せるとその怒りは続かない、素直に謝ると許してくれる優しくてさっぱりした性格も持っている。たとえるならば大嵐の後のからっとした晴れ模様である。かえって降り注いだ雨が大地を潤し、作物や草木を生長させるようなこのトールの性格も豊穣神としての根拠になっている。そして妻のシヴの美しい金髪も、畑に実った稲穂を象徴するとされる。 力が強く大食欲であったため、その生命力はほかの神々とは比較にならないものであった。力強くてたくましい神であり、巨人と最も多く戦った神である。体は金骨隆々で山のように大きく、顔中赤ひげに覆われた大男の外見をしており、その姿は神というか巨人に近いものがある。そして頭にはなぜか火打石が刺さっている。声は雷のように大きく、目つきは稲妻のように鋭い。 手には稲妻を象徴するハンマーミョルニルを持つ。狙った敵を外すことなく投げつけた後は必ず手元に戻ってくる。名前には「粉砕する」の意味がある武器としては最強の性能を持っている。またミョルニルには死んだ生き物を生き返らせることができ、その力で戦車用の羊を骨だけ残すことで再生させて何度でも食べられるというエピソードもある。骨さえあれば完全復活が可能であった。そのためミョルニルは武器としてだけでなく無限に食物を生み出すというため豊穣のシンボルとされることもあった。 これはトールが王族貴族でなく被支配層である農民層に支持された理由の一つでもある。 もう一つ、ミョルニルには結婚の儀式にも使われた。夫婦となる二人の膝の前にミョルニルを置いて花嫁を清める儀式に使ったという記述がある。そのレプリカは実際の結婚式にも使用されており、これは人生の大きな変化があった時にはトールに守護を願うという、一般層に浸透していたトール信仰の一つとされている。 そしてその真っ向から敵と戦うという神話内での性質も、支配層や侵略者から逃げるしかない被支配者層への人気の理由となっている。その人気は、多くの地名や人名にその名残が残っている。 トールの半生は巨人との戦いで彩られている。神々にあだなす巨人たちを、持ち前の力で退治していったのである。トールがアースガルズにじっとしていることはほとんどなかったようであり、たびたびヨトゥンヘイムに遠征しては巨人たちを討伐して回ったのである。そのためトールは神話においては神々を守護する頼もしい神として描かれることが多い。 それらの戦いは、オーディンの予言するラグナロクに向けて巨人の数を日々減らそうという動機もあった。 その中でも巨人の中でも強力な部類に位置するフルングニルとの一戦は特別な意味があったといわれる。フルングニルは自らトールの戦いを挑んだ最初の巨人であったからだ。彼は神々との宴に参加して大言壮語を発言したためトールとの一騎打ちを行うことになる。石でできた頭と心臓を持つ巨人最強の男であり、石の盾と武器の砥石で戦った。トールはミョルニルを投げて応戦し砥石を砕き勝利する。その砥石の破片はトールの頭にも刺さるが軽症で済み、ミョルニルはフルングニルの頭を粉砕したのである。 他にはミドガルズオルムや幻術使いのウトガルザロキ、下記するミョルニルを奪った巨人も倒した。 ある日うっかりトールが武器ミョルニルをなくしたとき、それが巨人に盗まれたということを知り、ロキとともにどうやって取り返そうかと悩んだとき、巨人の提案した交換条件が「神々のアイドルである女神フレイヤを嫁によこせ」というものであり、フレイヤ自身に断られたので、女装を実行して巨人たちをだまそうとする計画を実行するのである。この女装して武器を取り返す(トールには派手な花嫁衣装を着させる)という行為によってトールの名声が一時的に失墜するのである。もちろんトールは大男なので似合わないにもほどがあるのだが、アースガルドの危機なので仕方なしに従ったのであった。ミョルニルの花嫁を清めるという効果はかなり知られていた(義兄弟であるバルドルの葬儀でも、死体を清めるために使用されている)ため、花嫁衣装を着ているトールの前にミョルニルが来たとたん、トールは正体を現しその場にいた巨人たちを皆殺しにした。ちなみに言い出しっぺはヘイムダルである。 トールは最終的にラグナロクにおいて、宿命のライバルであるミドガルズオルムによって命を奪われる運命にある。ラグナロクでは壮絶な一騎打ちをし、トールはミョルニルでミドガルズオルムの頭を粉砕するが、ミドガルズオルムが最後の力で吐いた毒によって相打ちしてしまうのである。
出典 ・松村一男『知っておきたい 世界と日本の神々』(西東社、2010年)104~107ページ ・幻想世界を研究する会『よくわかる 「天国・神界の住人」事典』(株式会社ウェッジホールディングズ、2008年)84~85ページ ・池上良太『図解北欧神話』(株式会社新紀元社、2007年初版)54~57ページ ・杉原梨江子『いちばんわかりやすい北欧神話』(実業之日本社、2013年)68~71ページ ・森瀬繚『「北欧神話」がわかる事典』(SBクリエイティブ株式会社、2014年)86~93ページ |