ヘル

無属性

能力値

HP

105(87位)

召喚時間

SP

18(61位)

召喚コスト

攻撃

75(74位)

召喚キャパ

防御

70(93位)

ZOC

魔力

90(62位)

移動

4値合計

340(91位)

 

※値はすべてレベル50の時のものです。

特殊能力

アンデッド強化

相手のファミリア[スケルトン][ワイト][ゴースト]

攻撃防御魔力+50%移動+1

死の覚醒

死亡時一度だけHP50%で復活攻撃防御魔力+100%移動+3

 

 

 

 

 

習得技

技考察

毒霧

死の覚醒があるので反撃を恐れずに使える。

屍兵召喚

強化状態のスケルトンを召喚できる。

黒霧

暗闇にするより良い手がこの子にはある。

血人形

スケルトンより障害物の仕事をしてくれる。

念力・念動力

属性一致のメイン技。

打撃

念動力があるのでいらない。

        








管理人の感想

数字上は大したことがないうえにキャパを2も食うが、特殊能力である「死の覚醒」の効果が協力無比であることが特徴的なクリーチャーだ。そしているだけでアンデッド系ファミリアを強化させることもできる。

 「死の覚醒」がとにかくこの子の存在価値で、その効果は死んだ時に体力を半分回復して自分の能力を2倍にするというものだ。移動も3上がるのでもうこの子は死んでからが勝負と言える。味方の攻撃を当ててまでも発動させる価値があるというものである。覚醒後は移動も上がるから、アタッカー以外にもこの子の覚える技に「毒霧」があるように相手を毒にする役割を持つこともできる。

 もうひとつの特殊能力である「アンデッド強化」も有力だ。自分でアンデッドを召喚できるから、この子のアンデッドは必ず強化済みということになるからだ。ちなみに「アンデッド強化」は、この子のほかにケルベロスが持っている。この効果は重複するので、2体そろえばかなり強力な召喚パーティを組めることだろう。

 敵としてでてきた時は、手っ取り早い対処法として特殊能力を何とかすることだ。それができるクリーチャーはこの子の特殊能力を優先して変えること。できないときは、覚醒後のこの子を暴れさせないように、毒の存在も考えてマスターを安全な場所へ避難させることが大切である。

元ネタ

北欧神話

ヘルとは、北欧神話に登場する幼女である。その名前には「隠すもの」という意味がある。
父は悪神ロキである。ロキが女巨人アングルボザの生焼けの心臓を食べたとき、自らの身に3兄弟を宿し、その結果生まれたのである。兄に大狼フェンリルと大蛇ミドガルズオルムがいる。
 ヘルは兄弟とは異なり人間の姿をして生まれたが、その半身が青黒く腐っている外見であるとされる。その半身が左右半身なのか上下半身なのかは定まっていない。外見が美しいか醜いか、幼女かどうかも実は定まっていない。
 ヘルを含む3兄弟はある日神々にとって不吉な存在であるという予言が下り、ヘルはすぐに極寒の地ニヴルヘイムに飛ばされるのである。そしてオーディンから仕事を押し付けられ、こうしてヘルは病気や老衰で死んだ人々の管理をすることになったのである。
 ニヴルヘイムは冷たくてじめじめとした、霧がかかった暗い場所であるとされている。入口は鋭く切り立った岩石に囲まれており、獰猛な番犬ガルムと番人モーズグズという幼女がいるため簡単には入れないのである。ヘルが住んでいる場所は、驚くほど高い城壁に囲まれた館エーリューズニルに住んでいる。その東には、オーディンがかつて訪れた巫女の墓があるという。
 昔の北欧では、死者を船に載せて弔う習慣があった。北欧神話では北の海にニヴルヘイムという氷と死者の国があると信じられていたからだ。その冥界ともいうべき世界の統治者がヘルなのである。
 ヘルが管理する死者の国での暮らしはあまりいいものではなかったらしい。実際にはヘルのところへ行くのが嫌だからと自分から戦場へ足を運んだり自ら体を傷つけて死ぬ戦士もいたという。だが一般のイメージである地獄とは違い責め苦がないうえ、オーディンの息子バルドルのように最高待遇される例もあったので、本当に悪い場所なのかというとそうでもなかったりする。
 ラグナロクにおいては、参戦こそしていないが、死者の爪で作った船ナグルファルと軍隊を父であるロキに貸し出すことで間接的に戦いに加わっている。
 ラグナロクの後でヘルがどうなったかについては、どの文献にも載っていない。もしかしたら今も地底のどこかで黙々と死者を受け入れ続けているのかもしれない。
英 語で地獄を意味するhellは、この子の名前が元ネタである。

出典
・幻想世界を研究する会『よくわかる 「魔界・地獄の住人」事典』(株式会社ウェッジホールディングズ、2008年)156~157ページ
・池上良太『図解北欧神話』(株式会社新紀元社、2007年初版)128~129ページ
・杉原梨江子『いちばんわかりやすい北欧神話』(実業之日本社、2013年)104~105ページ
・おおつ やすたか・ほか『悪魔大百科』(株式会社メディア・テック、2006年)156~159ページ
・森瀬繚『「北欧神話」がわかる事典』(SBクリエイティブ株式会社、2014年)148~151ページ、