もえくり討論会3X 2013/09/19

もえくり2の前に書いていますので、
クリーチャーのキャラが違う可能性があります。
読む際にはご了承ください。





第23話 運命と世界を操る理想の自分








ナレーション
「もえくり界に舞い降りた常勝無敗の大型ルーキー、アリス」
ナレーション
「前回、3VS1の戦いに勝利したアリスは
クリーチャーと一緒に河原で戦後の余韻に浸っているのだった」


アリス
「ふふ、見た? 前回の戦い?」
うぇん
「うん、みたよぉ~」
アリス
「あの3人が束になっても私にはかなわないんだから」
おせ
「さすが私ね。3人同時に相手して平気なのは私がいるからこそ」
かぐ
「いや、アリスさんの采配だ。
それにしても私を召喚するタイミング、見事でしたよ」
アリス
「いやぁ、褒めないでちょうだいよ」
うぇん
「にしては、うれしそうじゃないよね、アリスさん?」
アリス
「やっぱり、私はもう1番のもえくりにすとになったんだろうか?」
うぇん
「え?」
おせ
「ちょっと、喜んだらどうですのマスター?」
アリス
「いや、もう私に敵はいないんだなって思ってね」
うぇん
「だめなの?」
アリス
「だって、みんなに会った頃は1VS1で戦いを楽しんでたのに、
今では昨日のように3VS1でも私が勝つようになったのが」
アリス
「自分の成長を感じてうれしいと思う反面、悲しい」
かぐ
「まぁ、奴らもそれが分かっていたからこそ、数人で挑んで来たんだろうがなぁ」
おせ
「ふん、マスターも強くなるために努力をしてきたんでしょ?
さみしがらず誇ればいいじゃない」
おせ
「後ろめたいこと何にもしてないんでしょ?」
かぐ
「頭が単純で幸せだなお前は」
おせ
「なんですって!」
うぇん
「どうすればいいんだろう?」
くむば
「チャンピオンベルトを守る戦いがこれから始まるって考えればいいよ」
アリス
「チャンピオン? 私が?」
くむば
「実際そうでしょ?」
???
「自分が一番上にいるという現状に不安を感じているようだな」
アリス
「え? あなた誰?」
???
「私は、あなたの理想の姿。あなたが常に思い描いているアリスよ」
アリス
「私の…理想?」





???
「そう」
かぐ
「ははは、恥ずかしいですね理想だなんて」
おせ
「マスターもロマンチックなのね」
アリス
「でも、そんな姿の私なんて、想像したことないけど」
???
「常に現状に満足せず、戦いに明け暮れてもなお欲する、
ないモノねだりのあなたが全てを手に入れた姿、それが私よ」
アリス
「……」
???
「決して届かない領域に理想の自分を置き、その自分を好敵手として傷つけあう毎日…
戦闘狂のあなたにふさわしいでしょ?」
アリス
「ふざけないで。自分の敵は自分、たしかにそうだけど、
それは精神的な話であって物理的な話じゃない」
???
「クリーチャーを使役して物理的に傷つけてきたお前が何を言う!」
アリス
「黙れ!」
???
「その言葉、誰に向けて言っている?
私はお前だぞ?」
アリス
「あなたは私の中にいない!
だから私でも好敵手でもない! 消えてしまえ!」
アリス_エンテレケイア
「そうか、じゃあ消えるのはお前だ。
そして私が、アリスとなってやる」



……


自フェイズ1
アリス
「みんな、力を貸してちょうだい。
この私の形をした人形を亡き者にするわ!」
うぇん
「うん、がんばるよ~」
かぐ
「さて、相手がどう来るかだな」
おせ
「ふん、この戦い、コンビニの定員に話しかけるようなものですわ」
くむば
「…眠たい」
さらま
「…遊びたい」
ゆみる
「…帰りたい」

アリス
「ここらでユミールを出すわ」
ゆみる
「…私出る前に終わるといいけど」

敵フェイズ1
アリス3
「まず召喚時間がかかるのから出すのは常識。
さすが私、そこは心得てるな」
さんだ
「任せなってあんなザコ」

フェイズ2
かぐ
「さて、私の出番ですか?」
アリス
「ええ、今から準備してちょうだい」
かぐ
「わかりました」
アリス
「相手が私の理想だとすると、特殊能力はたぶん警戒すべきものだから、
ここで出てほしいの」
かぐ
「なるほど」


敵フェイズ2
さんだ
「ありがとよマスター、私を先兵にしてくれて」
アリス3
「……」

フェイズ3
アリス
「じゃあウェンディゴちゃん、出番よ」
うぇん
「わかった、スタンバイだ」


敵フェイズ3
アリス3
「ふん、クリーチャーをそろえる暇を与えはしない。
コウ、サンダーバードと一緒に準備をしろ」
こう
「獅子搏兎! 竜の子供として本気を出すよ!」





フェイズ4
アリス
「……なんてこと。相手がどんどん攻めてくるわ」
くむば
「……」


敵フェイズ4
アリス3
「腰を抜かして引いたか。
おまえら、怯むことなくせめて行け」
さんだ
「いよっし、爆走じゃぁ!」
こう
「私もついていくよ!」
まから
「出撃準備に取り掛かります」
かぐ
「ん? アリスさん自身は理想の姿だが、クリーチャーはそうじゃないようだな」
アリス
「そうよ、あいつは私であって私じゃない。
別のクリーチャーを使いながら私を名乗ることにもいらだちを感じるわ」
アリス3
「ふざけたこと言ってやがる。
お前ら、この生意気なのを倒して、私を本物にしろよ」
さんだ
「わかった。私の速さでしとめるぜ。
なぜか知らんが、このマスターといると力がみなぎるしな」
こう
「うんうん。すごいよこんな私…」
ゆきん
「その力は、この方がマスターだからです。
ですからそろそろ、マスターを支えるクリーチャーが必要だと思います」
たんこ
「では、この私が要となるマスターを支えよう」
ゆきん
「お願いしますよ」
アリス3
「便利なやつらだぜ」

フェイズ5
アリス
「さて2人とも、頑張ってちょうだい」
かぐ
「さて、黄金コンボの完成だ」
ウェンディゴ
「頑張るよー」
アリス3
「ほう、ウェンディゴが来たか」
うぇん
「結局最後までこのコンビで戦うんだね」
かぐ
「ここでこそ勝率の高いカードで攻めるべきだからだ。命がかかっているんだぞ」
アリス
「ウェンディゴ、前進よ」
アリス3
「ぐ、ZOC3をぶつけてくるか。だが」
こう
「電光石火でそんなもの」
さんだ
「私には意味のないことだ。だから速いんだ」
かぐ
「やつら、考えているな。しかし相手マスターがインフェルノの圏内。
どうするか?」
アリス
「かぐ、コウにインフェルノを打つのよ」
かぐ
「わかりました。相手も炎属性なら自分に返ってくるダメージも小さくなりますね」
こう
「ぐ、抵抗属性なのにこのダメージ。まともに攻めるべきではない」
敵フェイズ5
さんだ
「さて、私はここへ飛ぶか」
こう
「待て、餌食にされるぞ」
さんだ
「いや、私にインフェルノを使うわけないぞ。
軻遇突智は相手の要、だからこそ近づけるわけさ」
かぐ
「……」
こう
「さて、今の私には氷なんて敵じゃないや」
うぇん
「うわぁぁぁぁぁ」
くむば
「あ、防御に定評のあるウェンディゴが」
まから
「私はインフェルノの圏外からでも十分攻撃できるよ。
次インフェルノを使ったら死ぬようにってね」
かぐ
「ぐっ」


フェイズ6
アリス
「もうかぐはどの相手に打っても死ぬわね。
ならば、相手の心臓に向けて散ってちょうだい」
かぐ
「ああ、うっとおしい回復要因をな」
たんこ
「んのー」
アリス3
「し、しまった」
くむば
「君たち攻めすぎだよ。召喚完了したての私が相手しよう」
さんだ
「効かんな」
アリス3
「ふん、これが何だって言うの?」
アリス
「だったらサラマンダーを出しましょう」
さらま
「うっす! 適当にするぞ。
さて、適当にマスターを攻撃すればいいんだな」
アリス3
「てめぇのインフェルノなんて怖くないんだよ!」
くむば
「じゃあお休み」
アリス
「ちょっと起きなさいこのバカ!」

敵フェイズ6
アリス3
「あはは、これは傑作。
こちらのほうが数は上、向こう側はマスターと昼寝しているバカだけ」
さんだ
「くたばれサラマンダー」
さらま
「うあー、やられたー」
こう
「私はノームと一緒にマスターを攻めるよ」
まから
「私も加勢するよ。堂々とバカの隣からね」
アリス
「耐えるのよ、私。まだ出番が来ていない子がいるのよ」
アリス3
「残念だけど、そいつの出番はなし。
次のターンでお前は終わるんだからな」

フェイズ7
アリス
「届かない! バカにライトブラストが…」
まから
「あ、あぶなかった」
さんだ
「私にZOCがあってよかった」
こう
「みなぎる力がうれしすぎて、マスターをすっかり忘れてたが」
ゆきん
「大丈夫。バカの攻撃でマスターが死ぬ確率は50%です」
こう
「そうそう。相手マスターは毒でこちらは数も上、
このターンさえなんとかすれば」
アリス
「オセ! 行って」
おせ
「まったく、こんな時にこのバカは…」
アリス3
「オセ!」
くむば
「VWXYZZZZZZZZZ」
おせ
「サンダーチャージよ。おきなさいバカ」
くむば
「ぐはっ」
おせ
「いいからあの許しがたい偽マスターにとどめをさしてちょうだい」
くむば
「…オセってさっきの私の与ダメージ見てなかったの? 相手残るよ」
おせ
「ぐぬっ!」
ゆきん
「…」
アリス3
「どっちにしろこれで終わりだ! 私が本物に!」
アリス
「そうはいくものですか。オセを巻き込んで地震よ!」
くむば
「むにゃむにゃ…」
おせ
「え? きゃっ!」
こう
「みんな、特にノーム! あの厄介な金髪を倒せ!」
さんだ
「そうた! あいつは雷属性のエース! 倒す価値は十分にある」
まから
「私は死にそうなバカを狙うけどね」
おせ
「ぐはっ」
くむば
「まぁ、こんなものか…」
アリス3
「さてこれでアリスだけ。放っておいても毒で死ぬ。言い残した言葉を聞くぞ」
アリス
「じゃあユミール。出番よ」
ゆみる
「よく7ターンくらい、持たせてくれた」
こう
「ゆ、ユミール!」
さんだ
「移動がたった3のあいつなんて怖くなんて…」
まから
「いや、射程3の水技がある!」
アリス
「くらえ! 私の偽物ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
アリス3
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」









……

アリス
「…かった、勝ったわ」
くむば
「ナイスだバカ」
おせ
「人のこと言えますの?」
ゆみる
「出番あまりなくてよかった…」
アリス
「向こうが速攻戦法だったからね、結果オーライってことで」
かぐ
「……うぐぐ」
さらま
「……」
ウェンディゴ
「…うーん」
アリス
「損害はこっちが大きかったから、
あの子私の偽物だったとしてもかなりの強敵だったのね」
おせ
「力の強いあなた、傷ついた5人を運んでくださいな」
ゆみる
「えー」


アリス3
「………」
さんだ
「…すまねぇマスター。私はノーダメージだったのに」
こう
「あと1ターンあれば」
まから
「そうだよ。惜しかったなぁ」
ゆきん
「いえ、このゲームは1ターンが大きいんですから…」
アリス3
「……………………」
こう
「マスター!」
まから
「ど、どうして?」
アリス
「…私が勝ったから、消滅したのね」
こう
「マ、マスター…」
さんだ
「な、なんだろうこの脱力感は」
まから
「マスターが1人いなくなっただけなのに」
くむば
「そのことだけど、君たちはなぜ偽アリスの味方をしたのかな?」
まから
「うっ」
さんだ
「いや、ちょっと、この人の下で戦うとなぜか力がみなぎったから」
こう
「うんうんそうそう」
おせ
「まぁ、あの子の強力な特殊能力にひかれたのでしょう。
現金な子たちね」
さんだ
「ちが、違うんだ」
くむば
「私のSP残ってるから、地震でみんなを懲らしめるぞ」
おせ
「私も加勢するわ」
ゆきん
「待ってください!」
くむば
「なんで?」
アリス
「まって。…なに、雪ん子ちゃん?」
ゆきん
「たぶん、あの方はあなたの偽物でしたけど、
あの瞳はもえくりを始めたばかりの貴女と同じだったからだと思います。
ずっとメインで私たちを使っていけたらいいのに。
そう思ったことはないですか?
その思いが、私たちがあの方の使用クリーチャーに選ばれた理由なのだと、私は思います」
アリス
「えっ」
ゆきん
「特殊能力も理想だったけど、それ以上に
私たちを使い続けていることも、理想だったのですよ。
あなたにとっても私たちにとっても。
だから責めないであげてください」
おせ
「口のうまいことで。これだから氷属性は」
くむば
「納得するもんか。君たちばかり使われてたら、私たちの出番なくなるじゃないか」
ゆみる
「二人とも、うるさいって」
くむば
「ぐはっ」
おせ
「ひっちゅ」
アリス
「…うん。ときどきだけど、君たちを使うようにするよ」
ゆきん
「いえ、無理して使うことはありませんよ。時代が進むにつれて、
私たちがメインで使えるようになる日が来るでしょうから」
アリス
「……」
ゆきん
「さてみなさん。今から反省会をしますよ。
近くのホテルの一室を借りましたから」
こう
「えー、遊びたい」
まから
「年下のくせに生意気だぞ」
さんだ
「ノーダメージの私超元気!」
ゆきん
「みんなの命つないだの私ですから」
かぐ
「あいつら元気だな、痛てて」
アリス
「だって向こう側の損害、たんこだけだものね。
私たちは体力回復からよ」
くむば
「やったー寝られる」